過去の「今月の受け」2010年~2011年

2010年9月分

2010年9月

▲8二歩と桂を攻めて7三地点を薄くしようとした手に対して△2一角と打ったのが「遠見の角」です。8一の桂を逃がすと▲7三金と駒を足されて破られてしまうので、7筋の脅威になっている飛車を攻めます。以下▲8六飛、△7五銀、▲8九飛まで飛車を追ってから△9三桂と桂を逃がして十分です。

2010年10月分

2010年10月

△5八金打と6九の飛車を攻め、▲2九飛と逃げさせてからの△4五金が「遊び駒の活用」です。この金は元は3四にいて遊び駒になっていましたが、この一手で受けにはたらくようになりました。5五歩は▲6四角と打たれた手に対して打った歩で、「大駒は近づけて受けよ」を実践したもの(例えば△5五同角ならば▲6四銀と打つ筋があります)なのですが、△4五金と出たことにより5五に角が出ることもできなくなってしまい、より有効な受けになりました。このように受けの手筋を組み合わせることで、より受けが効果的になることも多いです。

2010年11月分

2010年11月

図1は△9七歩成とと金を作ったところです。先手からの早い攻めは▲6二成桂ですが、現状後手からの早い攻めがないので攻め筋を後手に与えないように攻めます。図1から▲6三歩成、△同歩、▲6二成桂(図2)が「歩を残して攻める」です。平凡に▲6二成桂でも同じようですが、6筋の歩を取ってしまうと△5五桂から歩を叩く筋や単に△6六歩と叩く筋が生じます。そこで6筋の歩を釣り上げて歩が残るようにしておこうというわけです。この受け含みの味付けによって後手には依然早い攻めがないままです。

2010年12月分

2010年12月

△8八角の桂香両取りに▲8六角と桂を受けつつ銀取りに打った手に対する△7五歩が「角筋をずらす歩」です。▲7五同角なら△7七角成が5五の飛車当たりになりますし、▲7五同歩なら▲4二角成が消えるので△5四金の余裕が生まれます。先手の角は8六が最もいい位置なので歩の犠牲でそれをずらそうとしたわけです。桂馬を角で守っている形ではよく現れる筋ですね。

2011年1月分

2011年1月

図1は先手が▲8四歩と打ったところです。放置すると▲8三歩成ですし、歩・馬・龍のどれで取っても▲7一歩成が▲7二との詰めろになり、8四が塞がっているので△7三玉の早逃げもききません。図1から△同馬、▲7一歩成、△3九馬(図2)が「王手の先手で逃げ道確保」です。以下▲同玉、△7三玉に▲6六角と詰めろ龍取りをかけてきましたが、△5六桂(6四の逃げ道を開けつつ▲8八角と龍を取れば△4 八金から詰み)がそれを上回る好手で勝ちになりました。

2011年2月分

2011年2月

図1は△4八歩と打ったところです。これは機敏な一手で▲同金寄は△6七馬で銀がただ、▲同金直も△6七馬、▲同金、△3九銀と美濃崩しを狙われます。困ったようですが▲6八金、△同飛成、▲5八金(図2)が「先手を取り続ける」です。まず▲6八金と馬を取って飛車当たりをかけ、△同飛成に▲5八金と狙われている金を逃げながら龍当たりもかけます。形は悪くなりましたが、自玉の危険を緩和しながら先手を取り、手番を握ることができました。

2011年3月分

2011年3月

図1は△7七角と金取りに角を打ったところです。△7七角にかえて△9九飛と打って次の△5九飛成を狙うのが最も早い攻めですが、単に打つと▲6九歩と底歩で受けられてしまうので角でこちらの応手を聞いてきました。以下▲6八歩、△9九飛(△6八同とは▲4八金左、△9九飛、▲2八玉が一例です)、▲6九香(図2)が「防波堤をつくる」です。▲6八歩と打たせて底歩をなくしてから念願の飛車打ちですが、▲6九香の底香で後手の攻めの速度が下がりました。図2の局面で後手の最も早い攻めは△5八とですが、これを手抜いて攻めに転じれば△5九と~△6九飛成のときに5九のと金が邪魔して王手になりません。

2011年4月分

2011年4月

図1は▲5一とと飛車を取られたところです。△5一同金と手を戻すほうが手堅いようにも思えますが、△4七歩成(図2)と踏み込むのが「攻撃は最大の防御」です。▲6一と、△同玉と王手で金を取られますが、以下▲5二金と▲4一飛のどちらも△7二玉と上がって詰みません。詰みがない場合は受ける必要がないので、金を取りながらと金を作るのが最善です。▲6一と、△同玉、▲3九金打と受けに回っても△4六角と出る手が厳しく後手の勝ちは揺るぎません。

2011年7月分

2011年7月

図1は△4七歩と歩を垂らされたところです。6七の銀が浮き駒になると馬に取られてしまうので、次の△4八飛打から強襲される手が気になります。それを防いだ▲5六銀(図2)が「当たりを避けつつ守りを固める」です。直接的には7七馬からの当たりを避けつつ、4七地点に金銀2枚が利くようにした一石二鳥の手です。

2011年8月分

2011年8月

▲2五飛と2六の飛車を1つ浮いた手に対する△4四馬が「攻めを根絶やしにする」です。▲2五飛の狙いは次に▲3五飛~▲3三歩成とと金を作る手です。▲3五飛と寄ったときに△4四馬と飛車取りで受けても良さそうですが、その場合は構わず▲3三歩成、△3五馬、▲2三ととされ、飛車は取れてもと金が威張る展開になるため自信がありません。左図で次に△3四馬と歩を払われてはまずいので▲3三歩成、△同馬、▲3五飛と勝負手を繰り出してきましたが冷静に△3四銀と飛車を殺して優勢になりました。

2011年9月分

2011年9月

▲6九歩と△7九馬からの二枚換えを防いた手に対する△5三歩が「自玉を安全にする」です。先手が▲6九歩と受けて穴熊の遠さを主張してきたので、こちらも受けに回って玉を安全にするのが手堅い指し方です。△5四歩と桂を取るのが一番の狙いですが、5三歩そのものが4四の馬筋を遮断する手にもなっているので非常に大きな一手です。実戦は以下▲4五桂、△5四歩、▲5三銀、△5一金引、▲5四馬、△同金、▲同歩、△5五角と中央に攻防の角を打つことができ後手優勢になりました。

2011年10月分

2011年10月

△1六歩と端を取り込んできた手に対する▲1四歩が「反撃含みに端を緩和」です。この手にかえて▲1八歩と手堅く受ける手もありますが、一方的に玉が狭くなるので極力避けたいところです。△1四同香と香車をつり上げてから▲1八歩も考えられますが、本譜は△1四同香、▲2六桂、△1五香、▲1四歩と端に拠点をつくる順を選びました。

2011年11月分

2011年11月

▲6二香と金を攻めてきた手に対して△5二金としたのが「雷落としを防ぐ」です。このように6一金を攻められた場合は大抵△7一金と避けるのが最善ですが、この場合は▲2六角と龍取りに打たれ、△2八龍に▲7一龍!△同玉▲6一香成(両王手)△8二玉▲7一角成で一気に逆転してしまいます。5二に金を逃げておけば以下▲6一香成~▲7一角△7三玉のときに5二金が▲6二馬を防いでいます。

2011年12月分

2011年12月

△4二歩と龍の横利きを受けた手に対して▲5六桂と打ったのが「馬を無力化する桂」です。△4二歩の局面は先手が優勢ですが、△4四馬と歩を取りながら龍に当てる手や△2三馬引など馬を引きつけて頑張る順などが残っています。▲5六桂は△4四馬を防ぎつつ、2三への6八馬の利きも遮るとても味のいい手です。


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